第2章

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 こちらが逃亡用のルートを探らないと思っているのだろうか? (とはいっても、きょろきょろと見渡したら、怪しまれそうだわ)  兵たちは緊迫した空気を醸し出しているし、何か一つでも機嫌を損ねさせれば面倒なことになるのは目に見えている。  なので、シャノンは俯いて暴れることなく足を前に進めた。 (それにしても、このお方、どうして私の腰を抱いて移動するのよ……。普通、腰ひもでもつければいいものでしょう?)  いくら逃亡防止とはいえ、腰を抱くという行為はいかがなものなのだろうか。  心の中でそう思い、ニールの顔をちらりと見上げる。すると、何故か彼とばっちりと視線が合ってしまった。 「……どうした」  ニールがシャノンにそう問いかけてくる。その声は低く、彼自身も緊迫した空気を醸し出していた。  ……きっと、彼もいろいろな意味で警戒しているのだろう。 「……なんでも、ない、わ」  そっと視線を彼から逸らして、シャノンはまた俯いた。  どうしてだろうか。彼としっかりと視線を合わせるのが、怖いと思ってしまう。  それは、恐れなどからではない。ただ純粋に、怖いのだ。 「そうかよ」  彼はシャノンのその行動を咎めなかった。ただ淡々とそう言って、またシャノンのペースに合わせて歩くだけだ。 「ニール様。その女は、どうするつもりです?」
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