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「だぁれ?」
タヌキくんはそちらにいるだれかに、そうたずねました。
するとそのだれかは、ゆっくりと頭をあちらこちらにふりはじめます。
そして頭をうごかすのを止めると、
「あぁ」
と言いました。
どうやらそちらに話しかけたタヌキくんがどこにいるのかをさがして、そしてようやく見つけたようです。
「タヌキくんでしたか」
ゆっくりとした話し方でそう言っただれかさんを、タヌキくんは知っています。
タヌキくんはそちらに行ってみました。
「あ、やっぱりキリンさんだあ!」
それは、おりょうりがとても上手な、なかよしのキリンさんでした。
キリンさんはとてもまんぞくそうに、しずかにうなづきながら大きな大きなまんまるを見ています。
「ねえ、これはキリンさんが作ったの?」
「そうですよ」
タヌキくんがたずねると、キリンさんはそう言いました。
「見えている、あのお月さまのような『おまんじゅう』を作りたかったんです。がんばりました」
キリンさんはニコリとわらいます。
「これはおまんじゅうなんだね!お月さまにそっくりだねえ!それに、とてもおいしそう」
タヌキくんはうれしそうなキリンさんを見て、自分もうれしくなりました。
するととつぜん、お月さまの光がつよくなりはじめました。そして……
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