エピローグ

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――――チリーンと鈴の音が聞こえる。  一麒(かずき)が片眉をあげて立ち上がり正面を睨んだ。 「怖いよ〜。そんな顔でみるなよ。リンちゃん連れてきたのボクなんだからさあ」  白い衣装に身を包んだ青年が現れた。事故後すぐにリンに声をかけた青年だ。 「それにおいては感謝している」 「でしょ? でしょう? まあ、ボクもさ悪い事したって思ってたからさ」 「あの、その節はどうも? それで、貴方はどちらさまですか?」 「ボク? ボクはね~。白澤(はくたく)其処の白虎が連れてきた子の旦那様だよ」 「ええ? では最初の候補の子を攫って番にしたのは……」 「攫ってないよ。合意の元。素直で良い子で気が合ったんだよね」 「リン、こいつも霊獣だ。親戚みたいなもんだ」 「一麒(かずき)も四神達もチカラが弱まってたみたいだからね。ボクが探しに行ったんだよ」 「ほんとはお前みたいなやつに頼みたくなかったんだ」  白虎がふくれっ面をみせる。 「ひょっとして白虎は、白澤が僕を見つけてきたから機嫌が悪かったの?」 「うっ……そうだ。すまなかった。でもこんなチャラチャラした奴が連れてきたんだぞ! 誰だって警戒するだろうに!」  「ひっどいなぁ。でも、まぁ。いろいろと無事に片付いたみたいだしボクはそろそろ退散するかな」 「白澤。番を大事にしろよ」 「わかってるよ。麒麟の愛情深さにはまけるけどね」  白澤はぴょんと白猫に姿を変える。 「あ! あれは……そっか。シロだったのか」  チリーンと鈴の音が鳴ると今度は大きく身体を膨らませ左右に目を四つ持った霊獣になって消えて行った。 「僕はいろんな人、いや、霊獣たちに見守られてたんだね」 「リン。お前は本当に素直だな」 「これからも一麒と一緒に皆を護っていきたい。僕を番にしてくれてありがとう」 「私こそ。戻ってきてくれてありがとう。もう一生離さない」  たくさんの花が咲き乱れる霊獣たちの園は今日も楽し気な笑い声が響いていた。。                おわり
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