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「お嬢様。アレクでは侯爵家と家格が合わないのですが。」
普通なら来客時に壁に徹するマーサが自分の息子だからか口を挟む。
「マーサ。私が侯爵家を継ぐためのお婿さんだから、大丈夫よ。
私、アレクのためにクッキー作ったのよ。食べてね。」
身体は6歳、頭の中は6歳と18歳が混在する状態なので、アレクを好きな気持ちを自覚する18歳に自由な6歳が拍車をかけてると自分でも思う。
アレクと隣同士でソファーに座りクッキーを食べながら仲良くおしゃべりをしていると、そこへなぜかお父様がやって来た。どうやら侍女の誰かが私のアレクへのプロポーズを告げたらしい。
「キャル。私は相手を自分で見つけていいとは言ったが、まだ早過ぎないかい?アレクくんも含めてゆっくり探せばいいから。」
「じゃあ、アレクも候補の1人ってことで、ほかにお話があれば会うけれど、私の気持ち優先してね。お父様!」
とりあえずお父様よりアレクの方が大切なので、(もちろん好きな気持ちがあるけど、アレクがいれば破滅エンドに向かわなくて済む)アレクとのお茶会に集中するのだった。
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