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2nd 2
あれから、2年が経ち私は、8歳になった。アレクはメアリーと一緒に来たり、1人で来たりと色々だったがマメに顔を見せてくれていた。しかし春になるとアレクは王立学院に入学して寮生活になったため、長期休みにしか会えなくなってしまった。
私の粘り強い『アレクは優秀な婿候補』というプレゼンが効いたのか、お父様はアレクが将来婿入りする可能性も考えてくれたみたいで勉強と縁づくりのために王立学院への進学をアレクに勧めて学費援助もしてくれた。
アレクの家からは王立学院への通学は、少し遠いため我が家からの通学を提案したのにお父様に却下されてしまいアレクは寮生活になった。
婿候補と考えつつも寮に入らせるのは、私とアレクをなるべく引き離す理由か?とそこは少しお父様を疑っている。
「キャル、今度の火曜日に王妃様のお茶会に一緒に行きましょうね。」
一方私もお母様から再三お誘いがあった王妃様のお茶会を体調不良と言いずっと断り続けていたが、体調不良なはずの私が全く元気なので、誤魔化しきれずついに行かなくてはいけない状況になってしまった。
主張し過ぎないようにおとなしめの若草色のドレスを着て、お母様と王宮の王妃様を訪ねると案の定フィリップ殿下がいた。
「オーウェン侯爵令嬢キャロラインでございます。よろしくお願いします。」
「可愛らしいだけでなく、礼儀作法もちゃんとできていますね。侯爵夫人の教えが身に付いているのかしら。」
お母様の教えもあるけど、数年に渡り王宮で行われてきたお妃教育の賜物でもある。王妃様のチェックは合格みたいだけれど、フィリップ殿下と婚約なんて冗談じゃないので、とっとと退散したいんですけど。
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