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彼女の生命がなくなる瞬間、僕の生命を少し流し込んだ。そのまま生き返らせるわけにもいかないから、時間も巻き戻らせた。
本当は生き返らせるなんてあまりやってはいけない事だ。おかげで僕は少し能力の落ちた悪魔になった。
彼女は、2回目は突っ走ってがんばっていたが、また殺された。
仕方がないので、僕の生命をまた分けた。時間も同じだけ巻き戻らせた。
3回目の彼女のために使える力は、だいぶ減ってしまったので、僕は、悪魔の力以外も駆使して彼女に幸せになって欲しくてがんばった。
さらに生涯ただ一度だけ使える生命の火を宝石に変えて愛する人に贈り、同じ時間を過ごす魔法も使った。
そうして彼女は僕に愛と幸せを教えてくれ、楽しい時間を与えてくれた。
しかし人間の一生は本当に短く、彼女は別れの言葉を告げ、僕の腕の中で逝ってしまった。
キャリィには黙っていたが僕には、彼女をもう生き返らせることも時間を戻すことも出来ないし、魔力はだいぶ減ったのでやれることは限られる出来の悪い悪魔だ。
いつかまた会えるのだろうか。自分の寿命を対価にするような魔法を彼女にだいぶ使ったが、まだ残っている。彼女がいないならそんな残りなんていらない。
彼女に会いたいので、生命と残りの魔力を全て使うことを決心した。
君が生まれ変わる世界に僕は同じ人間として生まれ変わろう。
気づいてもらえないかもしれない。人間になってしまえば僕も君を見つけられないかもしれない。でも同じ世界、同じ時代に君がいるだけで…僕は幸せなんだ。
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