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朝食はたまたまお父様の仕事がひと段落したところらしく、家族3人一緒にとれることになった。お父様、お母様と食べるだけでも幸せな気分になる。でも浸っているわけにはいかない。まずはお父様の意識を変えていただかないと。
「お父様。私、ずーっとお父様と一緒にいたいからお嫁に行かずにこの家を継ぎたいの。」
「そうか。嬉しいよ。でもキャルの王子様が見つかったら、寂しいけれど嫁に行ってもいいからな。」
お父様は、私には優しいけれど貴族としての常識を持ち合わせているので、手放しでは喜んでくれないようだ。
「では、私がこの家にとっても、私にとっても一番いい相手を見つけて来るまで、よそから婚約のお話が来ても受けないでね。」
「わかったよ。キャルはおませさんだなぁ。」
「本当ね。ちょっと前まで遊ぶ事ばかり考えていたのに、急にお姉さんになったわね。」
そうお母様も笑顔になる。
お姉さんにもなるわ。中身はお妃教育も卒なくこなしていた18歳なんだから。
まずは婚約相手を見つけて来ることにしよう。
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