序章 約束

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序章 約束

夕暮れ。茜差す陽光が、幼い少女と少年の影を斜に長く伸ばしている。 白亜の石でできた、小さな墓石の前にしゃがみ込む少女に、傍らに立つ少年が呟いた。 「…俺が、イリスを守ってやる」 イリスと呼ばれた少女は、泣き腫らした瞳で少年を見上げる。 「俺がもっともっと強くなって、イリスを守る。大人になっても、ずっとだ。だからもう泣くな」 少年が、イリスに手を差し伸べた。 「ほら、一緒に帰ろう。」 「…うん」 イリスもそっと手を伸ばし、少年の手を取って立ち上がる。 それから2人は、暮れ行く景色の中、しっかりと手を繋いで歩き始めたのだった。  
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