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1.宝石店の強盗団
「なになにっ? 急に、なんなのよ、キモいって!」
その女子の声は、あらゆる校舎の壁に当たって、雲一つ無い青空に響き渡った。
騒がしい放課後であっても、気持ちいいほどよく通る声に、下校中の生徒たちの視線がこちらに集まった。
その女子が、学校中で美少女として知れ渡っている黒井玲奈であることが、少なからず影響している。
「いや、ちょっちょっ、ちょっと、待って!」
友浦大貴は、帰ろうとする黒井の正面に回って、もう一度頭を下げた。
「お願いしますっ! 付き合って下さい……って言われた時の、確率を教えてくださいっ!」
「はあっ!? だから、なんなのよ、その言い回しは!? 意味わかんないって!」
「いや、ですから……」
「って、いうか、キミ、彼女いたよね? 1年A組の麻日ちゃんと付き合ってるんじゃないの?」
「あ、いや……はい……。ボクは……そうですが……」
群衆が、かすかにどよめいた。陰口も聴こえてきそうである。
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