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最愛、あの子と。男の子と男の愛、愛さ!
☆
「おっ気が付いた!大丈夫か!?」
「ふう、良かったなおい。一応救急車呼んじゃったよ」
大学生の三人組は、どう見ても泳げそうにない僕が深い所に入って行くのを心配して見ていたそうだ。
体感的にはもう何年も水の中にいて、プールの水を飲み干してしまった気分だけど、実際にはすぐに助けに来てくれて僕は助かった。
ありがとうございました、と頭を下げる僕らに手を上げて去って行く、その笑顔のカッコ良さ。
疑ってしまってごめんなさい。
「最笑ちゃん、ごめんね」
「秋葉君、私こそごめんね」
ぎゅぎゅっと握られている手の暖かさに僕は思う。
永遠に続く様に思えたリプレイ中に僕の頭を押さえつけたのは、本当にこの手なのだろうか?
……いやいや、そんなはずないよな。僕は正常な判断が出来る状態じゃなかったし。
助かったんだし、もういいじゃないか。
みっともない所を見せてしまったけど、最笑ちゃんが僕のそばにいてくれるなら、これからも僕はレベルアップして行けるはず。
君が行きたい場所はどこでも僕が連れて行ってあげられる様になりたい。いや、なるんだ。
僕が勇者の物語は始まったばかり。
彼女と一緒なら、世界はまだ知らないドキドキとワクワクにあふれている!
……まあ。
時々は、時々なら。
ゾクゾクッとするのもいいかもしれないけれど。
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