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夢
放課後の書道部。部長は昨日より元気そうだ。部長に呼ばれ人気のない非常階段へ来ている。
「昨日は心配してくれてありがとう」
部長は小声で話して来る。
「いいえ。あれから大丈夫でした?」
「うん。やっぱり昨日は付いてなかったんだね」
「ごめんなさい」
「え?」
「それ、私のせいなんです」
「え? なんで?」
「実は……」
百合は部長のことを好きなことは伏せて、これまでのいきさつを軽く説明した。
「待って……それってさ、進藤さんが悪いわけじゃないよ。っていうか、逆に進藤さん危なくない? 大丈夫?」
部長は怒るどころか心配してくれる。部長はそんな人だ。誰にでも優しい人。そんな所を百合も好きになったのだ。
――でも、なんでだろう? あまり嬉しくない。
「大丈夫です。ありがとうございます」
百合は心配かけまいと笑顔で答える。
「う〜ん……。今日さ、俺が送るよ」
「えぇ?!」
突然の発言に驚き百合は大きな声を出してしまう。
「……嫌かな?」
「いいえ!」
そんなこんなで百合は部長に送ってもらうことになってしまった。他の部員達には体調が悪いからと言うことにして。
その日の夜。百合は夢を見ていた。
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