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夢には部長がいた。楽しく話をしているとヴィルジールも出て来た。
「進藤さん。僕と彼、どっちが好きなの?」
「私も知りたい。どちらを選ぶんだ?」
百合は2人に迫られていた。
「えっと……私は……」
突然夢から覚め、勢いよく飛び起きる。
「……夢」
なんという夢を見るのだろう。どちらを選ぶのかなんて、部長に決まっている。それなのに、今日部長に送ってもらったのに嬉しくなかった。何故なんだろうと思い巡らせていると、黒猫が現れた。
「百合様」
窓の外から声が聞こえる。百合は寝ぼけながら窓へ寄ると黒猫が悲痛な面持ちで訴えて来た。
「助けてください!」
百合は窓を開けると黒猫は飛び込んで来た。
「どうしたの?」
「お館様の体調が悪いんです!」
一瞬心臓がドクンと嫌な音を立てた。
――え?
「どういうこと?」
「お館様はまもなく2500歳になられます。それまでに花嫁を見つけ、花嫁の両親の許しを得ないと消滅するんです!」
「消滅……」
――そんな!
百合は何故か足元が崩れ落ちるような感覚になった。
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