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妊娠
眩夢と真鶴が違う生活を送るようになって数カ月後、真鶴の様子がおかしくなった、食事の度に吐くのだ、そしてお腹に何か薄い魂のような物を感じる、まさかと思った眩夢は真鶴を問い詰める
「真鶴?まさか坂城先生と?」
眩夢がそう問えば真鶴は嬉しそうに言う
「きっと女の子よ眩夢」
「なんてこと!ダメよそんなことがバレたらどうなるか分からないの?」
眩夢の言葉に真鶴は笑う
「大丈夫よ、私、高校辞めるわ、小説一本で生きてく、家もね、もう探しているの、
小説がベストセラー採ったんですって、こっそり産んで妹として育てるわ、高校辞めれば先生とも結婚できるきっと大丈夫よ」
「そんな上手く行くわけないわ真鶴!ちゃんと考えなきゃ!」
眩夢の言葉に真鶴はぽろぽろと涙を流す
「だって先生の子だもの、私と先生の子だもの・・・おろしたくなんてない、それにもう7か月過ぎてるわ」
あぁもう下ろせないじゃないか
そう思った時だった。バタバタと廊下を走る音がした。ハッとする、笑里が聞き耳を立てていたんじゃ!そう思っていると、部屋の扉を激しく叩く音
「眩夢!真鶴!開けなさい!」
あぁバレた。
その後、どうなるかと言えば、慌ただしく双子と弟夫婦は高校に行くことになり、校長室に集められる、二人の担任と坂城先生、
坂城先生を紹介された時、父の弟が坂城先生の頬を打った。
それに駆け寄ろうとした真鶴を眩夢が抑える
「生徒に手を出す先生を雇うなど!この高校はどうなっているのですか!」
あなた落ち着いてと、言って父の弟を座らせる妻
「申し訳ございません、ですが間違いと言う事はありませんか?」
校長の言葉に父の弟は間違え?と聞き返す
「真鶴さんは小説活動で他の大人とも会うこともありますし、その年で小説コンテスト大賞ですからねぇ」
つまり、誰かと寝て経歴を捏造したと言いたのだ。なんて卑劣な事を考える校長なのか
「それにもともと学校の備品である机を汚したり教科書を破ったりと問題行動も多くありましたし、「それは他の生徒がした事です!いじめの証拠です!」
校長の言葉を遮って眩夢がそう言えば、校長は迷惑そうな顔をしてのたまう
「このように眩夢さんも妄想癖がおありです、真鶴さんは坂城先生のストーカーをしていたと言うのも有名な話、お腹にもしお子さんが居ても坂城先生の子と言う証拠は無いと思いませんか?」
校長がそう言えば父の弟と目で会話をする、つまり高校には問題がなく、真鶴の素行が悪く体を売って生活を立てていたことにしたいと言う事だ。
それを正しく読み取り、このまま行けば素行の悪さを理由に真鶴の口座を管理する口実が作れると即座に判断した父の弟はニヤッと笑って、頷いた。
「そうですな、兄の忘れ形見と甘やかしたつけが回って来たようです、身体を売り歩く娘になってしまうとは、赤子は養子にでも出してこの騒ぎは無かったことにしていただいても?」
「そんな!」
真鶴がそう叫べば父の弟が真鶴を睨む
「うるさい!この売女が、お前のせいで沢山の人に迷惑がかかっているんだぞ!それを理解しろ!」
そして父の弟は坂城先生の前に立つ
「坂城先生勘違いで殴ってしまってすみませんね、姪がストーカーなど迷惑をかけた様で、もうそのような事はしないようにきつく言いつけておきますから、ね、それで、いいですよね?」
坂城先生は握手をするために差し出される父の弟の手を見て、真鶴を見る
否定しないで、私達を捨てないでと目で訴える、そんな真鶴の目から目をそらし、坂城先生は父の弟の手をとる
「は、はい、とても迷惑に思っていたところです、こんな妄想までされてしまうとは、可哀想だと甘やかした罰ですね」
余りのショックに真鶴は目の前が真っ暗になる、
そんな、あんなに愛をささやきあったのに、あんなに互いの作品を高めあっていたのに・・・・
ストーカーだなんて、妄想だなんて、他の男に抱かれたのだなんて、このお腹の子が他の男の子供だなんて
なんでそんなことが言えるの??
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