もう我慢しない

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もう我慢しない

「そんな、どうすれば・・・・こんなことになるなんて」 ショックでしばらくうつむいていたが、ハッとして顔を上げて、なぜか陽華を抱いてへたり込んでいる真鶴を睨む坂城 「お前のせいだ!この魔女め!お前が僕を狂わせなければ僕は平和に絵を描き続けられたのに!」 そう言いながら眩夢を押しのけ、真鶴に詰め寄る坂城 「先生・・・なんで?愛してくれていたんじゃないの?」 真鶴の悲しそうな顔に坂城も悲痛な顔を浮かべて、手を振り上げ殴ろうとしたのか、だがその手は力なく下げられる 眩夢はいつでも動けるようにして注意深く坂城を見る 「先生・・・・私まだ先生が好き、愛してる、ねぇ、2人で学校辞めよう、私ね、結構印税入ってきているの、だから先生は絵だけ描いていていいよ、だから、お願い・・・・見捨てないで・・・・」 真鶴の懇願する顔に何を思ったのか、どうしたかったのか、坂城は手を握ったり解いたりを繰り返し、そして真鶴から陽華を取り上げて床に投げつければ、ガシャンと頭が割れ、身体も砕ける陽華、坂城から貰った愛の証が、その坂城の手で壊される 「魔女め・・・・消えろ」 そう言って坂城は真鶴に手を上げるものだから、眩夢は我慢できなくてゴキッとその首が正面の真鶴じゃなく後ろの眩夢を逆さに見ている 「ゴミが」 眩夢のつぶやきを最後に、坂城の体は力なく崩れ落ち、その場におかしな頭をして倒れた。 「真鶴、帰ろ」 そう言って真鶴に手を出せば真鶴は泣きながらもその手をとって眩夢についていく、眩夢は家に帰るために荷物を取りに教室に戻れば、マドンナとその仲間がニタニタと双子を見る 「やっぱり真鶴は妊娠していたのね!しかも坂城先生の子!」 「やるー」だとか「ビッチ」だとか騒ぐ烏合たちを無視して、眩夢は帰りの準備をするし、真鶴は真鶴で心ここにあらずだ。 当たり前だろう、今、最愛の人を二つの意味で失ったのだから、そんな打てど響かぬ双子に苛立ったマドンナが、してはいけない事をした。 真鶴に激突したのだ、真鶴は飛ばされるも腹を守る体制にどうにかなったが、ぶつかられた衝撃で腹を抑えて、苦しむ 「なんてことを!真鶴!!大丈夫??」 真鶴を起こせば苦しそうにしながら、涙を流し、赤子を心配する 「赤ちゃんが!赤ちゃんが!!」 苦しそうな真鶴をどうすればいいかわからずにいれば、いつの間にか集まっていたギャラリーから美術部の3人が出てくる、派手好き君と髪の長めの男子生徒が真鶴を支えて、保健室に向かい、おさげちゃんがそれについて行きながら、救急に連絡してくれている。 苦しむ真鶴を教室の入り口まで見送り、怒りに任せてマドンナの方を見る 「あんた、何しようとしたか、分かっているんでしょうね」 眩夢がそう言えば、マドンナは高笑いをする 「ちょっと才能あるからって調子に乗っているからそうなるのよ!あんな子の赤ん坊なんか流れてしまえば坂城先生の悩みも晴れるわ!もともと目障りだったのよ!」 そう言って眩夢を指さすマドンナ 「あんたらさえ居なければ!坂城先生のお気に入りは私だったのに!」ゴキッ ヒステリックにマドンナが騒いだ時、指差した指が手の甲に垂直に立つ 「へ?」 異様な光景を見れば痛さが来るという物で、何がおきた分からないままに激痛に叫ぶ 叫んでいれば次は足が180度曲がりゴキッゴキッと音を立てながら、あらゆる間接があらぬ方向を向いていく、最後にその犯人が眩夢だとわかるころには首が床にねじ切れていた。 キャーー!!!!と悲鳴が上がる、目の前で起きた猟奇的で不可思議なその現象に怯えない者などいないだろう、逃げなければと思う頃にはもう遅く、次々に逃げようとしたものから首があらぬ方を見たり、背中とおしりがくっついたり、トマトのようにつぶれている物はなんだろうか、飛んでくる赤いしぶきに、腰を抜かせばもう助からない、教室は地獄絵図、真っ赤な絵の具が世界を染める、眩夢が廊下に出れば、教室の異様な光景を見た者は逃げろと叫んだ時にはその頭部は消えていた。眩夢は学校中の生徒を虐殺しながら歩く、幸せなら手をたたこうなんて鼻歌を歌いながら眩夢が手を叩くのと一緒に周りの生徒の体の一部が破裂する、楽しそうに歌うその後ろは歌に似つかわしくない赤い道、 真っ赤な真っ赤な道で楽しそうに笑ってる 昇降口のあたりに来れば、なんとか逃げ延びた生徒が知らせたのか、異様な叫び声達に誘われたのか校長と担任が目の前に出て来た。 「これは何事ですか!!」 返り血で赤い眩夢を見て驚く校長を見て 眩夢はニタァと笑い、手で雑巾を絞るようなジェスチャーをすれば 校長がまるで絞られるように体が曲がって行くものだから一緒に居た先生も腰を抜かして倒れてしまう、ゴキゴキ音を立てて千切れた肌が血を流しその豊満な体が絞られ赤い水溜りができる ばちゃんとその場に落ちる悲惨な死 校長を絞って満足したのか、眩夢は鼻歌を歌いながら校舎を出て行った。 そのころには救急車も来ていて、真鶴が運ばれて行く、一人の救急隊が校舎から出て来た眩夢の異様さに何かあると察したのか、校舎に走って行ったのが見えたのだった。
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