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「っ、」
月の明かりが冷たく差し込む
電気の灯らない暗い部屋の中。
静まり返った室内に、私の吐息が弱く溶ける。
シングルベッドが軋む音がして
私に覆いかぶさる裸の男が、余裕なさそうに私の肌を撫で回す。
だけどその瞼は閉じられている。
目を閉じたままの彼は決して私の姿を見ることはない。
声にならない声が喉まで押し寄せる。
けれど、私はそれを噛み殺して、必死に快楽に耐える。
私の身体を這う指に、腰が浮く。
込み上げる快感に溺れてしまそうになる。
何かを堪えるように私は掴んだシーツを強く握りしめた。
私を見下ろすのは、愛しい人。
……でも、彼は恋人じゃない。
彼氏でもない男と、こんな風に関係を持つなんて間違っているとそんなこと自分でも分かっている。
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