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結局明け方近くまで絡み合って二人とも気を失う様にして眠りに落ちた。こんこん様はいつの間にか居なくなっていた。
目覚めると司の顔が目の前にあった。思わず叫びそうになったが、その長いまつげに見惚れる。こうしてみるとつくづくイケメンなんだよな。何だか昨日の事がまだ夢みたいだ。腰のだるさがなければ本当に夢かと思うくらい。
「俺……昨日、司と」
叫びすぎたのか喉が枯れててかぁあっと顔に熱がこもる。かなり恥ずかしい事も言った覚えがある。
「ん……は……るか?」
司が目を覚ました。ぼんやりした様子で額にチュッとキスをされる。
「あっ! 悪い。朝ごはんの支度っ」
起き上がろうとする司に抱きつく。
「今日は皆に休みをあげたからもう少しゆっくりしても大丈夫だよ」
「そうか。よかった」
ほっとした様子でまた俺を抱きしめてくる。
「あの司。その、お……俺達、付き合うって事でいいんだよな?」
「っ。いいのか? いや、俺と付き合ってください!」
「ふふ。喜んで」
「あ~マジ幸せ」
「なぁ、お前いつからその、俺を?」
「一目ぼれなんだ。まぁ順序良く話さないといけないんだけど」
なんと司はあの稲荷神社の宮司の三男だった。そういえば苗字も神宮司だった。何代目かごとに狐の依り代となる子が生まれる家系で、小さい頃からお狐様の声が聞こえていたのだという。
「物心ついてからなんとなく人と違うなあと感じててさ。家族も俺を遠巻きにしてたし、だから傍に居たくなくて離れたところで一人暮らしをしていたんだ」
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