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 そんな司のところにある日、狐の呼び出しが届いたらしい。それも『番』を見つけたから合わせてやるといった一方的なもので。 「まあでもちょっと興味があったから観に行ったんだ。そして一目ぼれした」 「それが俺だったのか? 俺男なのに?」 「ははは。最初は驚いたよ。でも男とか女とかじゃなく、はるかに惚れたんだ。狐たちには性別は関係なかったみたいだ。神様って実体があるようでないからね。毎日熱心にお参りにきてくれる、はるかが気に入ったみたいだった。しかも俺の霊力の波動とはるかが合うみたいで。彼ら、はるかの精気も欲しがってたんだ」 「ええ? なんだか物騒じゃないか」 「まあね。だから今回の事は狐にとっても願ったり叶ったりだったんだよ」 「依り代って司にダメージがあったりすんじゃないのか?」 「ん~、本当はさ、俺がなかなか告白しないから狐たちが手を貸そうとして俺の中に入り込んでたみたいなんだよ」  そういえば変に独り言が多いなと思っていた。あれはお狐様達の仕業だったのか。 「普通は滅多なことじゃ人間を依り代にしない。その分狐にもダメージがくるらしいから。だから今回めいっぱい俺らの精気と霊力を持っていったんだろう」 「なあ。司。今まで一人暮らしだったなら、うちに下宿にこないか?」 「え? マジ? いいの?」 「部屋は空いてるんだ。できれば一緒にいたい。俺お前と一緒に居ると楽しいから」 「くぅ~! はるかっ可愛いっ! ずっと一緒にいよう!」  その日から早速、司は越してきた。そして二人で毎朝かかさずジョギングをする。折り返し地点の稲荷神社にお参りにいくためだ。  そうそう、結局じいちゃんは手術も無事に成功し、退院した。  俺らが付き合いだしたことを報告したときはさすがに驚いてたが、お前は一度言い出したら聞かないからとあっさりと認めてくれた。今は次の花火に付ける名前を検討中だ。    おわり。
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