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「へ~どんな名前なんですか?」  わ~。司ったら話に乗らなくていいのに〜。 「いやあ! よくぞ聞いてくれた。こいつはウルトラバイオレットエクスタシースーパースターってんだ! どうだ、カッコいいだろう?」 「品がない! 却下だっじーちゃん」 「なんでぇ。孫のくせにエラそうに。よし! じゃあ、ドッキュンバッタンイクイクモンスターだ!」 「じーちゃんっ! AVの見すぎじゃねえのか! そんな名前恥ずかしいよ!」 「何を言うか! 見る人を悶えさせるほどの凄さっていう意味じゃねえか!」 「ぶっ……あっはははははは!」  耐えきれずに司が笑い出した。 「はるかのお爺さんって面白いっ。素敵な方じゃないか」 「おう! そうかそうか、お前さんには冗談が通じるようだな」 「は? じいちゃん、今の冗談だったのかよ!」 「はははっ。坊ちゃん、親父さんに揶揄われたんですよ」 「なんだよ〜。俺だけわかってなかったのかよ」 「いやいや、すんません。毎回坊ちゃんと親父さんのやり取りが楽しくって。つい、あっしらも止めるのを忘れてちまって」  そう言いながらもくっくっくと背中を丸めて職人たちは笑いをこらえている。 『ふむ。良い職場であるな』 「え? 司何か言った?」 「い、いや。なんでもないよ」  それからは毎朝ジョギングの帰りに俺んちで茶を飲んだり朝飯を食ったりする仲になった。司は料理が上手かったのだ。俺んちは男所帯だったから飯関連は出前やスーパーの弁当がほとんどだった。皆、家庭的な手料理に飢えていたのだ。  その代わり司も花火の事を勉強したいと言い出した。将来はイベント企画の仕事をしたいらしい。  司は最近まで一人暮らしだったらしく家事全般に秀でていた。訳あって親元に戻ってきたという話だった。どこんちもいろいろあるんだなとその時は詳細を聞かないでいた。俺は司といる今がいいのであって先の事まで考えてなかったのだ。
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