第13話 いきなりの全滅で

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第13話 いきなりの全滅で

  『ポイズンパウダー!』  パゼラが花かごからミントアイスのような色合いの花を取り出して振り回した。  花粉が敵を包み込み、キャノンイーターたちは咳き込んで苦しそうにしている。  茶色い毛皮がみるみるミントアイス色に変色していく。  イっちゃってた目が力をなくしていく。  毒状態になったんだろう。  なんかちょっとかわいそうになってしまうなこれ。  キャノンイーターはついにその場にヘタれこんでしまったが、魔人木には全く効果が無いようだった。 「毒が効かないのか……!?」  くそ、こんなザコ敵の特性なんて覚えてないぞ! 「リスのほうは倒せそうだけど、でっかい木の方がやばいよ! 双子も大人しくなっちゃったし、どうする? 少年くん!」  でかい胸を揺らして俺の指示を仰ぐパゼラお姉さん。  すでにヘイとホイは無言で痛みに耐えているだけだ。  こ、こんなはずじゃ。 「リ、リーゼ! 頼む!」  リーゼは無言で頷いて素早く杖を振り回した。 『バブルウェーブ!』  杖の先から放たれる大量の泡。  広範囲に広がった泡は木々に引っかかって割れてしまい、うまく拡散できないようだ。  なんだその設定は!  そんなのゲームではなかったはずだぞ?  しかも、ようやくいくつかの泡が魔人木に届いても、あちこち尖っている枝で割られてしまってほとんどダメージが入らないようだった。 「気をつけてください! 敵のスキルが来ます!」  アルボが叫んだのと同時に魔人木が口大きく開けた。  赤い霧のようなものを勢いよく吐き出し、当たり一面が包まれる。  全員にスリップダメージが入る魔人木のスキル『毒花粉』をまともに食らってしまった。  全員が目に涙を浮かべながら咳き込み、くしゃみを連発する。  あ、毒花粉による状態異常って花粉症のことだったのか。    とか、のんきに感心してる場合じゃない。  繰り返し、こちらの攻撃をくり出すものの結果は変わらずだ。  くそ、圧倒的に火力が足りない!  さらに回復役(ヒーラー)もいないので徐々に減らされる体力を回復することもできず。  再び『毒花粉』を食らい、なすすべもなく。  全員が次々に意識を失い、静かに倒れていく。  俺たちのパーティは全滅してしまった。
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