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「もう、お父様ったらわたしを何だと思ってらっしゃるの?わたしにも何かしらの権利があると思いますわ!」
神楽坂コーポレーション一人娘のくららは社長室に入るとたまらず父親に文句を言った。
彼女がこんな事を言うのは珍しい。
ここは都内の神楽坂コーポレーションの本社ビル。地上25階にある社長室。
神楽坂コーポレーションは家電量販店や輸送業を全国展開している大企業だ。
今日は天気も良く社長室の窓からは、はるか彼方の富士山が薄っすらと言えていた。
だが、くららの気分は全く晴れてはいなかった。
それと言うのも、またしても父がお見合いの話を持って来たからだった。
もう我慢できませんから、今までのお見合いは3回。
どれも相手は大手企業の御曹司のような人たちばかり、くららが一人娘であるがゆえにどうしても婿を取る必要があったのだ。
だがそのお見合い相手ときたら…‥
父は驚いて優しく声をかけた。
「なんだ、くらら。いきなり?うん?どうしたんだ?」
もうお父様。白々しくありませんか?
「わたしはもうお見合いなんかしたくありませんわ」
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