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「あぁ、もう我慢できない、アンネ・・・挿れるよ・・・」
その名前にぎくっとしたゾフィーだったが、何も言えなかった。ルドルフはだらだらと先走って血管の浮き出た熱杭をゾフィーの蜜壺に躊躇なく一気に挿入した。
「あぁっ、い、痛いっ!」
狂暴なくらい巨大な楔がとまどいなく一気にゾフィーの奥まで打ち込まれ、ゾフィーはつい痛いと言ってしまった。だがルドルフは聞いていなかったようで野獣のように激しく腰を振り続けた。
「はぁ、はぁ・・・アンネッ!アンネ!・・・あぁっ、うっ、くっ・・・」
「あぁ、ルディ兄様!すごくいい!あぁ・・・あああーーっ」
ゾフィーの中の熱杭が一瞬大きくなってルドルフがぶるっと震えたかと思うと白濁をゾフィーの奥に吐き出し、ゾフィーもほぼ同時に達した。彼女は愛するルドルフと繋がることができて幸せを感じていた。
「あぁ、アンネ!アンネ!君はもう僕のものだっ!」
だが、ルドルフは混濁した意識の中でアンネと愛を分かち合ったと思い込んでいるようだった。他の女の名前を呼んで自分の中で果てたルドルフを思うと、涙がぽろりとゾフィーの目からこぼれてきた。
(あぁ、どうして涙が出てくるの・・・彼が別の女性を想っていることは承知の上でこうしたのに・・・)
2回の吐精の後もルドルフの男根はまだ硬さを保っていた。ゾフィーはまぐわいの2回目からは痛さを感じなくなり、ルドルフが中に入っているだけでいけるようになった。ルドルフはその後5回もゾフィーの中で果ててようやく媚薬の効果が切れたようで、2人とも泥のように深く眠り込んだ。
翌日昼近くになってルドルフは頭痛で目覚めた。夜会でゾフィーの両親と話したところまでは覚えていたが、その後のことが思い出せなかった。それから自分が裸のままで隣にも裸の女性が横たわっているのに気づき、叫び声をあげた。その叫び声でゾフィーは起きてルドルフのほうに向いた。
「ゾフィー、これは一体・・・?!まさか?」
「私達、昨晩、激しく愛し合ったのよ。覚えていない?ルディ兄様ったら、ひどいわ。私にこんなにたくさん愛の証を付けてくれたのに?」
明るくなった部屋の中では、ルドルフが付けた赤い印がゾフィーの白い首にも胸にもありとあらゆる所に赤く点々と見えて、ルドルフは息を呑んだ。
「湯あみする前にもう一度愛し合いましょうよ」
そう言って口づけようとするゾフィーにルドルフは怒りをあらわにして突き飛ばし、脱ぎ散らかした自分の服を急いで着ようとした。
「そんなことするわけないだろう!」
その時、コンコンとノックの音が聞こえ、ルドルフが制止する前にゾフィーが返事をしたため、侍女がドアを開けて湯あみの準備ができたことを告げた。他の侍女達もドアの前に既に控えているようだった。2人のあられもない姿が丸見えだったのはもちろん、部屋には濃厚な情事といかがわしい香の残り香が混じった匂いが充満していた。侍女達には何が起きたかもちろん火を見るよりも明らかだった。
ルドルフは服を着た後、ゾフィーを顧みることなく部屋を出て行った。
「ルディ兄様、ごめんなさい、ごめんなさい・・・私を嫌いにならないで・・・」
ゾフィーのすすり泣きだけが部屋に響いた。
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