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「私が爵位を継ぐのなら、アンネをどこかの貴族の養女にして私と彼女が結婚するのが条件です」
「教養のない平民風情に公爵夫人は無理だ!それにいったいどこの家があれを養女にするっていうんだ?」
「私が彼女を支えます。彼女は勤勉ですから、必要な教養は身に付けられるはずです。養女先は、父上が許せばいくらでも見つかるはずです」
「そんな一朝一夕で教養は身に付かない。それに私はあの女を養女にする家を探すつもりもない。そんな恥知らずなことをできるはずがないだろう!それにゾフィー嬢と腹の子はどうするんだ?お前が彼女と結婚しないのなら、子供は我が家で引き取っても彼女自身は修道院行きだぞ。ロプコヴィッツ侯爵は子供が生まれた時に彼女がまだ未婚だったら修道院に送ると言っている。なぁ、ゾフィー嬢はお前も小さい頃から知っていてかわいがっていただろう?その娘をそんな目に合わせていいのか?」
ルドルフだって小さい頃から妹のようにかわいがったゾフィーを子供と引き離して修道院行きにさせたいわけがない。だからと言って愛しいアンネを愛人にするのも嫌だった。ルドルフの苦悩は深まった。
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