73人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚して3ヶ月が過ぎたある日、ゾフィーは初めて胎動を感じた。
「あっ!」
「ゾフィー、どうした!医者を呼ぼうか?」
「違うの、今、赤ちゃんがお腹を蹴ったのよ!」
「もうそんなことがわかるのか?・・・あの、その、触ってもいいかな?」
「え?どこを?」
「その・・・お腹・・・ごめん、だ、だめだよね?・・・」
しゅんとなったラルフにゾフィーがどうぞと言うと、ラルフは途端にぱぁっと顔を輝かせた。ラルフは手を恐る恐るゾフィーのお腹に近づけると、耳まで真っ赤にしてお腹の上にそっと震える手を乗せた。
「あっ!本当だ!」
「こんなに元気にお腹の中で動き回るなら、男の子かもしれないわね」
それを聞いてラルフはぎくっとした。生まれる子が男の子だったら、ゾフィーが望めば白い結婚でもいいとはラルフは結婚する時に約束した。でも今となってラルフは彼女の身も心も欲しくなってきてしまった。だが、そんなことを思う自分は欲望の塊だとか、色々悩んで悶々とするラルフであった。
最初のコメントを投稿しよう!