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27.幸せな日々に隠れた葛藤
ルドルフの忘れ形見は、ノスティツ旧侯爵家の中興の祖にちなんでミハエルと名付けられた。本当は、ラルフはゾフィーの実家のロプコヴィッツ侯爵家か、コーブルク公爵家にちなんだ名前にしようと提案していた。でもゾフィーもコーブルク公爵夫妻も、この子がラルフの息子としてラルフの祖先にちなんだ名前を持つほうがいいと主張してそう決まったのだった
ラルフは、ルドルフやゾフィーのように金髪碧眼ではなく、この王国によくある茶髪と茶色の瞳を持っていて父親似だ。ミハエルは金髪碧眼だが、ゾフィーに似たと言えばミハエルの出生の秘密を知らない人にも納得はしてもらえるだろう。でも大きくなってどんどんルドルフに似てくれば、その秘密は隠しきれなくなるかもしれない。赤ん坊の今ですら、どちらかというとルドルフに似ているように見えるのだ。
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