28.浮気疑惑

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それからまた数ヶ月過ぎて、ゾフィーが出産してから既に1年近く経った。ミハエルはハイハイするようになり、日々成長していた。 その日、ゾフィーはミハエルを乳母に任せて、貴族街の商業地区に侍女のマイカと護衛とともに久しぶりに買い物に行こうとしていた。屋敷に商人を呼ぶこともできたが、ミハエルのもうすぐ1歳のお祝いにかわいい服を買おうと気分転換に外出したのだった。 馬車が商業地区に差し掛かった時、路上にラルフがいるのが見えた。ゾフィーが声をかけようと馬車を停めさせようとしたその時、彼の隣に同年代ぐらいの貴族らしき女性もいるのを見つけた。一瞬声をかけるか躊躇した間に2人はすぐそばのカフェに入って行ってしまった。ゾフィーは妻なのだから、堂々と声をかけてもいいはずなのに、妙に動揺してしまって結局馬車を停めずに通り過ぎてしまった。
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