31.出生の秘密

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31.出生の秘密

あっという間に時は過ぎ、ミハエルは5歳になっていた。ゾフィーとラルフは少しずつ距離を縮めていたが、まだラルフへの罪悪感が一線を越えることを許さず、未だ白い結婚は続いていた。 ラルフとミハエルはどこを見ても仲睦まじい父と息子に見えたが、ミハエルが大きくなるにつれて容貌や性格が似ていないことが目立つようになってきた。 「父上!僕と剣の訓練をまたしてください!」 「うん、でも僕が弱いって文句言わないでね」 ミハエルは騎士に憧れていてコーブルク公爵家の私設騎士団の騎士に稽古をつけてもらい始めた。でも専門家に普段は指導を受けているのに、ミハエルは、剣術がからきしダメなラルフとも時々訓練をしたがるのだった。だがその度に父親が弱すぎてがっかりするミハエルの様子を見る度に、ラルフは申し訳なく思った。
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