第二話

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 講義室にて、我瑠楽が授業を行う。思染学園は基本的に木造であるため、講義室も木造で、茶色いテーブルなどが設置されてある。席で授業を聞く香栗だったが、あまり集中はできずにいた。我瑠楽からの課題。それには当然、期限が存在する。もう夏も終わり、季節は秋。本来なら進路は決まっている頃だ。しかし、我瑠楽の計らいもあり、ぎりぎりまで伸ばすことが許された。とはいえ、卒業までに、というわけにもいかない。  三ヶ月。それが我瑠楽の提示した期限だった。それまで課題をクリアできないようなら、強制的に、我瑠楽たち教員の決めた進路を進むことになる。  不可能に近い条件だ。負け戦に挑むような気持ちになる。だが、香栗はそれでも諦めはしない。今後のスケジュールを考える。  「では、今日はここまで」
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