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こくこく、と首を縦に振り相づちを打つ威凪刃。待ちきれない様子で、威凪刃が質問する。
「承知いたしました。それで、その仮説というのは……!」
「ちょっと、あなたたち」
どさ、と複数の大きな書物を、香栗たちの席のテーブルに置いた少女。少女はニヤニヤと笑みを浮かべると、手で払う仕草をした。
「ここはわたくしが使いますから、どこか他をあたってくださいます?」
「なんだ、貴様?」
「桜寿、さん」
知り合いですか、と横目に威凪刃が訊ねる。香栗は俯き、答えた。
「同じクラスの子」
「香栗さん。何やら無駄な努力をしているようですが、あやかし学はやめた方がよろしいのではなくって? あなたの体力では、ねえ?」
ふふふ、と笑う桜寿が更に続ける。
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