第二話

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 「あやかし学なんてやめて、わ、わたくしが進む予定の【幻想植物学】にしたらどうです? あやかし学よりもよっぽど素晴らしいですわよ」  ちらっ、と桜寿は香栗を見る。視線が合うことはない。威凪刃が立ち上がる。  「なんだ貴様、さっきから。三枚におろされたいのか?」  「なんです、あなた? わたくしは香栗さんとお話を」  「あぁ? 貴様と香栗様が話すようなことなど何も無い」  不満そうな視線を送る桜寿と、怒りを微塵も隠さず睨み付ける威凪刃。両者の視線がぶつかり合う。まずい。ケンカだ。あたふたしながらも、香栗は二人を落ち着かせる。  「二人とも。図書室では静かに、ね?」  「それもそうですわね」  鼻を鳴らす桜寿。威凪刃も仕方なさそうにこらえる。が、舌打ちをした威凪刃に、再び桜寿がムスッと不満そうな視線を送った。いけない。ループしている。
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