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「まあ、いいですわ。わたくしは心が広いですから。席はお譲りしましょう。香栗さん。無駄なあがきはやめて、幻想植物学に移行した方がいいですわよ」
それでは、と言って去る桜寿。その背後に威凪刃の鋭い眼光が刺さる。
「まったく。あの女は何なんですかね。知ったような口を」
息を吐き、席につく威凪刃。
「でも、桜寿さんの言うことも一理あるよ。わたしは非力だから」
俯く香栗。唐突に、威凪刃は香栗の両手を取り、握る。力強く、話す。
「私がおります。早急に、調査に向かいましょう」
「……ありがとう」
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