第三話

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 威凪刃は純粋なのだろうな、と香栗は評価した。そこまで大したことではないのだが。殺した命に報いたい。あやかしと共に在れる道があるなら、そちらを進みたい。言葉そのものは素晴らしいかもしれないが、結局のところ、好奇心や罪悪感から来ているだけなのだ。しかし、涙する威凪刃を見て、自分のしていることが間違っていないと、そう思えた。  「ありがとう」  「いえ、これくらい当然です」  「そっか。よーし、それじゃあ、明日は頑張ってもらおうかな」  「はい! 一肌でも二肌でも脱ぎます!」  「あはは。じゃあ、明日に備えて、後でたくさん夕食をとろうか」
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