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「はい」
そこから三十分を過ぎるまで、三人はキノスアラシの観察を行った。見たところ、じゃれ合う回数が多い。他にはその名前の通り、大樹をかじるなどして、大樹に住む生物の巣をめちゃくちゃにしているようだった。夜栄は飽きたのか、小さな酒瓶に入った酒を楽しむように飲んでいた。
三十分が過ぎた頃、キノスアラシの集団は姿を消した。香栗たちに気づいたのか。他の生物の気配を感じたのかはわからない。
「行きましたね」
「うん。そうだね」
「ひっく。痕跡を調べてみるかい?」
「もちろん」
「では、私が香栗様をおぶります」
「ええ~? あたしがやってもいいのに?」
「千鳥足に任せられるか。貴様は香栗様を守るように一番後ろでも歩いていろ」
「ひどいー。でも了解」
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