第四話

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 「うん。後で話すね」  そろそろ帰ろうか。と、夜栄が立ち上がると伸びをしながら言う。まだ何もできてない。香栗は焦るが、自分にできることは限られている。それに夜栄にも迷惑はかけられない。  ここまで、か。後は夜栄からキノスアラシの食性などについて聞き出すくらいだ。調査はこれで潮時。諦めようとしたその時、脳裏に電流のようなものが走る。  「あの!」  シシズクの前で立ち止まる香栗。そのことに違和感を覚えた二人は、振り返る。  「どうかされましたか?」  「どうしたー?」  「ひょっとしたら、なんですけど」  香栗は、新たな自身の仮説を話す。それを聞いた威凪刃と夜栄は、互いの顔を見合わせた。夜栄が嬉しそうに話す。  「お手柄かもしれないよ、お嬢ちゃん」
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