episode2 それは呪いの手紙なのでは

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普段、私たちアラテガワ領民は朝食と夕食を自領で食べて昼食はお城で王族のどなたかとご一緒することになっております。 平民なのにいいのか、この扱い。 異世界人を王族の一人が禁呪で6人も召喚しちゃったので、いくら平民と言ってももはや扱いは他国の賓客並みなわけです。 しかもその異世界人たちがとほうもない知識を有していて他国に流出しちゃうのもまずいので、歓待ついでに監視も兼ねて。 トリュステン王子なんかは一緒に食べながらさりげなく私たちの世界の話を聞き出そうとしてくるし。 確かにこちらにはない情報の宝庫みたいなもんですからね、私たち。 特に生駒さんと野瀬さん。 英にいはがり勉くんだけど社会経験乏しいし、戸田さんは営業マンとしての仕事の知識は豊富かもしれないけどトリュステン王子が求めているのはきっと違う。 私の知識は非常に偏っている自覚がありますし、もはや性癖と言っていいそれを公言するのは相当まずい。 そうでなくてもこれまでうっかりでいろいろ教えちゃってるし。 親指立ててグッジョブとか、魔王軍の訓練に採用されたハリセンとか。 人間ちょっとうっかりしている方が愛嬌があっていいってものよ。 ワタシワルクナイ。
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