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「何やら考え込んでいますが、出来のよろしくない小さい脳で何を悩んでいることやら」
「絶対にろくなことじゃない。どれだけ幼馴染みやってると思ってんだ。おまえはもうちょっと本能を制御しろよ」
うるせえな、このインテリ眼鏡ども。
人間、本能に忠実にあれってのよ。
ともあれ、私の脳内を披露する気はさらさらなく、ジリオンさんの案でいくことになりました。
てなわけで私こと森亜麻音、1か月にも満たない魔王国生活の中で「召喚士」「魔王妃」の2つの名を頂戴することとなりました。
聖女として召喚されたはずなのに、どこで道を間違えたのか誰か教えて。
でも、今日はあの牛将軍に勝てたというその結果だけでよしとしようじゃないの。
他のことは些末なことなのよ、そう思って広い心で許そう。
「勝てば官軍、こちらが正しいってことになるしね」
「あなたが正しいかどうかは大変疑わしいのですがね。その、勝てば官軍というのは何ですか?」
そうか、この世界にはそんな言葉はないのかー。
勝敗で勝った方が正しくて偉いってことなんだけど。
「私たちの世界では『勝てば官軍、負ければ賊軍、歩く姿はユリの花』って言うんですよ」
「嘘を教えてんじゃねえぞ。『勝てば』と『立てば』を混ぜるな。そっちは美女のたとえじゃねえか」
「おや?」
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