… 伝わらない … おもい …

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― … ぇえ --------- ? 不思議ぃ … … ここの人たちからは 私     どんなに見えてるんだろ … このひとに こんな感じに        されてる私 … 子供もいて 私 … 夫もいて 家族と暮らしてるのに …   でも … ここではひとり … 会社に居て … いまは仕事中 …           だから私 …  ここに居るときは ここのモノで …           だから …     … 私 こうされてるの? … ― Mは、 自分の事をそう思ったけれど、 ここでは少し前 … 自分の妻にしたAを動かし …                  前GMを堕とし … そうして営業のテッペンに成った … ばかりの、GMの、そのひとと、 そんな …  優秀なそのひとの妻の、       広報部のAが居て … そんなここの従業員たちは … 皆、容姿が美しく、それに、 どの年齢層の人も皆センスも良く、 男たちは、 清潔感のあるスタイリッシュな、 ビジネススーツが似合う、      爽やかな人が多いし、 女たちは、目鼻立ちがハッキリ、 していて、少し童顔系の、 優しそうな雰囲気の、華やかな、 明るさも、身につけた人が多い。 それに … これはこの会社の、営業担当の 採用基準に含まれているのかは、 分からないが、身長だって、 大きすぎる人や小さすぎる人も、            いない。 だから以前にMがいた … マンションギャラリーの、 オープン時間に、お客様のお迎えに        揃って並んでみると、 デコボコしない、 同じくらいの体型の人ばかりで … そんな … ひとたちがいる この本社は、 港区に、 この会社の規模を解らせる様に? 聳え立つデカイ自社ビルを持つ、      不動産会社の本社で … そこに居る、 そのひとは45歳。 いまどき自分のstepupに響かないと? 考えているのか?離婚経験が2回ある。 それに … 長身で足の長いところが自慢なのか、 いつも細身のパンツスーツで、 その細さと長さが強調されていて、 中年太りとのことなど?全く無く、     腰回りもスッキリしていて …        だからよく動き? ただ … 昭和生まれのこのひとは … どこかその香りが漂う? だからいつも? ムスクの香りがしている男で … Mは、 そのひとの一声でここのモノに?            なった … それでも? だから? このひとは、 こんなに堂々とした態度で        Mの傍に居る。 その初日 … Mが新しい職場の研修会場に出勤 するとそのひとは既にそこにいて … 久しぶりに逢ったこの二人は、 他の人も居る中だから、 言葉を交わす事なく会釈だけして … そして … ここの初めての朝礼では、 そのひとが上司らしく        一番に挨拶をした。 「 おはようございます。   本日付で、カノジョが、   ここの責任者となります。      接客担当としては、   仕事の経験がありますが、   ここに慣れるまでは、   私もここをsupportします。    皆さん宜しくお願いします」 「 本日より、   こちらの責任者になりました、     よろしくお願致します」 Mは、そのひとの後に、    短い挨拶をした。 ― … そんなだから?ここの誰も?           きっと …  朝からスッキリとはしないよね … ―      そうMが心配するほど … ここの責任者と謂っても、 Mの立ち位置なんて   こんなモノ だった 。 それに … Mは、そのひとがこの日に登場し、 朝礼に立ち会う事も挨拶する事も、 その中で、 “ 自分の後ろには俺がいる ” と、 ここの皆に知らしめる事? も、          知らなかった。 それほど … そのひとはいつも … 何もかも、先に、全て、         決めてしまい … Mは、 そのひとの妻の、 いまはこの本社の広報室で活躍して いるAと同じ様に、 このひとの “ 力 ” でstepupした。 けれど、 これは、 そのAとは違い、 Mの知らなかった事で望んだ事では               ない。 だからそんなMの気持ちなんて? このひとには関係ない事の、様で … だからいまも … こんなに確りと … ここで強い力を持つこのひとが、 後ろに、居てくれるのに、 そのひとに支えられる事が、        Mには嬉しくない。 それほど … このときには、そのひとの存在は、        Mにはオモくて … ― だって … ここは新しい仕事場で … これから一緒に働く 初対面の 皆の前なのに … そんなの? 何も気にせず? こんなに分かりやすく? 重なり合う様に立たれると … たとえ背中だけだって? このひとに 絶対!       触れたくない …        それなのに? こんなにピッタㇼ!つかれると? スーツジャケット越しにだって このひとの体温が伝わってくるぅ … ― だから … 皆と向かい合う形に居る、       Mは直立不動で … 明るい表情は創れずに、 そんな立ち位置では、 身体を少しも動かしたくはない。 けれど … そんな事もお構いなしに?   “ 自分の守るモノ ” には?      当たり前の様に、 そこに立つ、そのひとの聲が、 背中に伝わる振動と共に、 Mの右耳の後ろから聴こえる …
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