… だから それは始まった …

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 …カツカツカツ … パタン コピー室から主任が戻ってきて … カノジョはMに気づくと、 その遅い出社にやさしく、諭す様に、             声をかける。 … ストン … ニコリ 「 … おはようございます          Mさん?   こちらには慣れましたか?   ここは女性だけの職場ですし    私達だってそんなに      経験者でもないので … 」 … カタン … ニコリ 「 … Mさんは焦らずに      しばらく私の    仕事を見ていてください … 」 … キョロ 「 … はい   ありがとうございます … 」 … ゥンゥン 「 … いいえ まだ …   始まったばかり ですから … 」 主任は、こんなになにか、含ませた          言い方をしても … 営業用スマイル?それとも、すなおな 気持ち?とても爽やかな、大人な対応               で … だからその優しい笑顔を 朝からまぶしく! 魅せられたら?         その意味をMは …         解るはずもなく …       ただ恐縮して頭を下げる。 … ニコニコ 「 ありがとうございます … 」            だからMも、  一応、営業用スマイル増増?で返す。 この主任はここの「責任者」として、  今朝もしっかり仕事についている … 確かに、Mは、即戦力にはなれない。 でも、いつもMがそうしなくても … いつの間にか、しっかり者が、受け身 のMの近くに集まってきて、保護者?            の様に、なる … だから? Mの周りには、あのひとを筆頭に、 この主任もそうだし … あのひとの妻でMの元上司でもある、 いまは同じ本社の広報に居るAも、          しっかり者だし … 同期の㊛Sも、Rも、㊚Sも、Sも …    ここの staff達だってそうで …    Mは自分では頑張ってみても …     なぜか空回りしてしまって、 結局、周囲に、迷惑をかけたり、    誰かに助けてもらう事が多い … たぶん、それは、これからも … 本人の意思にかかわらず? そう、なる事が多いかもしれない … だから … Mの周りには 「 強い 」 者が多く、 受け身なMは、スグに、従ってしまう。 でも? それは、そうでも、 また … 物分かりが悪いMは? 自分のdeskに居ても、 その!すぐ!前方にもあるから! また! cameraを見てしまう … さっき、あのひとに、 注意されたばかりなのに … … だってこんなに?    目立って たくさんあると           気になるから … その! cameraは、 今日も、テカテカに …      不気味に光って?    そいつは、動かずに、 この研修会場の、そこに、         あそこに … そっちにも!こっちにも!       あっちにも!ある! それも、これはPCだけではなく、 スマホでも監視が可能で … だから、あのひとは、 移動中のスマホからでも確認できる。 ―   これ … って …        なんだか …     自分の立ち位置?が?        分からなくなる … ―         … チラ          「・・・・」        Mは、だから気になる。 そんなここは … あのひとが新しく設置した部署。 なにもかも、ここでの事は、 すべてそのひとが決められる。 たとえ、Mがここの責任者でも … なので …           … カタン … ん? 「 … ダメ か … 」 朝、注意をしたばかりなのに、また、 Mがcameraを気にしている事を確認 したら、そのひとは?        すぐに行動を起こす … … パタン … ぶすぅ~ 「 … まぁな … 」 本社に来てからまだ数日、 でも? そのMは …  そろそろ …  ストレスが溜まっている頃? だろう … との事を気にかけて … でもそれも、Mには突然だった。 それはまだ、仕事が始まったばかりの、 「 9:30」 Mを外に出すために、 動きだした、ら? そのひとは、早い! だからそのひとは、 営業本部の出入り口に静かに進むと、 “ NR ” とホワイトボードに記し、            そこを離れ … そのまま、 すぐ下の、研修会場に貌を出す。 … スタスタスタ … ギョロ 「 おい!   M君チョッと … 」 急に、 Mの職場にそのひとは登場する。 こんなに突然現れるのは? そのひとが、 cameraでMが着席しているのを       視て、知っていたから。 でも、 Mには、そのひとの動きが分からない        ので、突然の事だった。    … びくっ     「 あっ!         お疲れ様です … 」  … カタン Mは慌てて席を立つと、 通路で待つそのひとの処へ進む。      でもMだって、考えていた。 そのひとが、 cameraでここを監視するのならば、             自分も、 deskに座ったまま、ここの管理者とし て、 「防犯上?」の cameraのチェックが      できる様にしてもらおうと … そんな事を考えている時に、 そのひとが登場したので、Mも、 そのひとの呼び出しに素直に応じた。             でも … … ジロ! 「 … おい!   横浜方面に行くぞ!」    … キョトン     「 … はい?        横浜ですか?… 」 … ギラ! 「 あぁ …    NRだ!」          … えっ?        … びっくり          『 うそ ‼ 』   Mはこの鶴の一声で、自分で何を? 言おうとしていたのか「 忘れた 」。       Mはスグに気分が変わる。 頭のなかはもう 「 横浜 」 だった …         … きゃ !!           … 横浜 !! …            … ニタァ だから? 思わず? ここのstaff達からしてみたら? 気持ち悪いほどニヤケ顔で振り返り?       皆に、シッカり伝言する。 … シッカリ!  「 スミマセン、皆さん …       私、外に出て、    今日は戻りませんので     宜しくお願い致します! 」 これに、deskに着席していた、 主任がすぐに反応し、確認する。 … キョロ 「 どちらへ … 」 これには、そのひとが答える。 … キリっ! 「 … M君の着任挨拶に   協力業者廻り! だ    今日は、NRだが        大丈夫か? 」 これに主任は、スグに、 PCでscheduleを確認する。 … キョロ 「 … はい大丈夫です   業者はどちらですか?     私から訪問の件   連絡を入れておきますか?」 … キッパリ 「 … いや   俺から入れるから善い 」 … ペコリ 「 … かしこまりました 」 この主任と、 そのひとのやり取りはとても、 スムーズで。それほど、 この主任はきちんとしている。 「 往ってらっしゃいませ 」 「 往ってらっしゃいませ 」 「 往ってらっしゃいませ 」 「 往ってらっしゃいませ 」 「 往ってらっしゃいませ 」 … クルッ 「 あぁ ~ それと …      今日は協力会社に   こちらがお邪魔するのだから         俺とM君の   スマホは鳴らすな!    先方には    こちらが合わせていて      こっちの都合では       デレナイ からな … 」 … キッパリ 「 それと …   NRで戻らないが   急ぎの件はタブレットに …          まぁ …   車に置きっぱなしで   スグに対応はできないが …   主任! そう … 上の    課長たちにも伝えておけ … 」 … ペコリ 「 … はい   かしこまりました   すぐに お伝えします … 」 … カチャカチャカチャカチャ 主任はここの上のfloor、 このひとのdesk上のPCと、その、 営業本部の課長全員にccメールした … これ … 営業は「 抜け道 」を知っている。 このひとは、その、営業のテッペン! だから、こんなにアッサリ、話しを?               纏める。 これで今日一日、 そのひととM、は、 ここからだけでなく、 仕事から、離れられる事になる …
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