S と M と そのひと …

… だから それは始まった …

そのひとの運転する車は、
横須賀に入ると、国道を進み …

京急長沢駅付近で、
いったん、車を止めて、
外を確認しながら少し考えている。

でも？

　　　そこはMの知らないところで …

… ジロ～ㇼぃ～
　「・・・・」

　　　　　　…ドキドキ
　　　　　　　「・・・・」

―

　　… ぇ …
　　　　　こんなに　遠く？ …

　　　ここ？　横浜じゃないし …

―

結局、そのひとは、

そのまま進んで、城ケ島へ行くのか
と思ったら、ここで曲がり？
　　　　　上へ上へとあがっていく。

なのでだんだん、
道は細くなり …

それでも上がりきれば？ …

そこは、
見晴らしがよい緩やかな斜面、に、

　　　　　　　　　　広々と …

もう、
かなり大きくなった姿を見せている、
ふっくらとした葉っぱのキャベツの
　　　　　　　　　　畑が広がって …

で …　ここは …　観光農園？ …

そう … そこで見えた …
「🍓」のマークがやたらとデカい！

　　　　　… キョロキョロ
　　　　　　　　　「 … えっ？」

なのに …

… カタン

　　　… パタン

　　　　　　… スタスタスタ

　　　　　　　　　　　　　だから？

　　　　　　Mはキョトンとしたけど。

そのひとは車を止めると、
さっさ　と？　降り、て？

先に見えてるビニールハウスへ向かう。

… キョトン
　　『 … ここ？
　　　　　　　いちご狩り？ … 』

　　　　　　… ぇえ--------- !!

あまりにも意外！
で！　Mは、驚いて固まってしまい …

　　それは車から降りられないほどで！

―

　　　　　　　　… だって！

このひとが　ここ？
『 いちご狩り 』のとこ　って？
　　　　あまりにも似合わない !!

　　　　　　　　… なんで？…

―

… だからそれは！
M！の！タメ！　だけど！…

そうされたMは、鈍！感！　
　　　　　　　　だから　…
　　　　それを理解できないで …

この日の目的な、
協力会社への挨拶まわり　が？ …

当然これと …　

　　　　　　… つながらない …

　　　　　　… ぼぅ～
　　　　　　　「・・・・」

… ギロ！
『 … おい ‼ 』

な！Mがいつまでも車の中だから …

少し進んだ先から、車に向かって、
外に一人立つそのひとが、怒鳴る。

　　　　　　… びくっ！
　　　　　　　　「 ハイ！」

　　… カタン

　　　　慌ててMは車から飛び出した。

でもでも、

確かに …　どうしたって、
強面のこのひとに「イチゴ」は …

なので …

　　　　… ギョ
　　　　　「 … どぅしよ 」

… パタン！

　　　　　　　　　… タタ！

―

… このひとが「イチゴ」？
このひとが「イチゴ」を食べる？　

ゼッタイに、ニ・ア・ワ・ナイ！

だって、
　　コロンって可愛くて！
　　　　　　甘ぁ～い！
　　　　　　　　　イチゴなのに！

あんな！
180センチ越えの！
　　　　　　デッカイ !!
　黒服なビジネススーツの！
　だから黒光りした革靴で！
　　　一見！反社のような強面の！
　　　オールバックの！45歳の！
　　　　ニヒリストのこのひとが …

　　　　　　　…「 イチゴ 」…

―

　　　　　　　　　… ヨロヨロっ

… かッ　… カツカツ　
　　　　　… かッ　… カツカツ

　　　　… ひゃひゃ～
　　　　　「 … おかしくない？」

Mは意外過ぎて！
気が動転して！…
独り言を！

小声で …　ヒールでは歩きにくい
その道の自分の足元につぶやく …

それでも …

見晴らしの良い …
遠くに海まで見渡せる、
小高い斜面の、田園風景、
の、ここは …

緑がカーペットのように …
一面に広がる、キャベツ畑の中の、
その細い道路の先にある …
　　　　　　ビニールハウスで …

　　　　　… ふらふらぁ～
　　　　　　　　　「・・・・」

―

… そこで？
　　　この？ 恐いGM　が？ …

？そんな強面な？
　　　　　　？このひと？が？ …

　　　　　ビジネススーツのまま …
イチゴ棚の前でシャガンデ ？…

イチゴの甘い香りに負けない …
　　　　　　　　　　　な …
… 男くさいムスクの香り放ちながら？

　　？…「 イチゴ を齧る？」…？

　　… え …　ゼッタイ　に …
　　　　　　　　　　ニアワナイ …

―

でもそんなM　に　は …

　… きらきらきらきらぁ ～ …

　　　　　　　　　　　… な !!

… 頭の中にキラキラと …
　　　　　　　… 光り輝く …　
そんな大勢のイチゴたちも出てきて …

　　… ムふっ
　　　… ふぅ～ !!
　　　　「 でも … ダイスキ … 」

… カツカツ♪　
　　　　　　　… カツカツ♪

そう … 単純で …
… Mは気分がすぐに変わるから？…

ここがそうで …　
　　　　　　　それが見えてるなら …

そう …　実は　…

　　　　　　　　　　　　Mは！
　　　　　　　　　　初めて！で！

　こんな「いちご狩り」には？

　　　　　　　来たことが無いから！

　　… カツカツ♪　
　　　　　　　　　… カツカツ♪

Mには、そんなにデカいけど！
そのひとのことは？　横において？

　　　　　　　　ゼンゼン、ピュア！
　　　　に！　ルンルンになってきて …

だからいま！

　　　　　　　　気持ちと態度は？
　　　まるで、小学生の遠足？になる …

… タタ！

… ぅるぅる ～
「 … スっゴク ‼　
　　　　　うれしいですぅ ～ 」

　　　　　　… ウフッ!! …

　　　　　Mはキラっ！ キラ！ の！
　　　ウルウル目でイチゴをみつめ …

　　　　　　　　そのままの顔を！

そのひとに向けた！

　　　　　　　　　　なので …

そうされた …　そのひとは …

　　　… だだそんなMのそばで …

… 無
「 ・・・・ 」

なにがあっても？
落ち着いたまま …

自分を崩さずに …
表情を変えない。

い・ち・ご・は、
「 苺 」だから …

　　　　　でも !?　Mは ?? 　もう …