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それに …
関西から戻り …
この本社勤務になったのなら …
当然 …
Mは夫の処へ戻る事になったが …
このひとは、
以前のMの検査入院の時に、
Mの主治医でもある夫と対峙し、
Mとこの夫との " 関係 " を、
理解してしまった …
―
Mはその検査入院中 …
恐怖心でイッパイだった …
それは
病気に対するモノではなく
「 医者である 夫に 対する モノ 」
それに
そこでは なにか Mに異常が
起きた時 その所見をカルテに
記すのは
主治医の夫で …
夫は「 事 」を起こしても 簡単に
その 後始末 も できてしまう。
Mは そんな強い不安を
誰にも言えない。
… そのMは
検査入院と
夫に謂われたので
入院していた …
ここは設備が整った大学病院で …
ここでは 常に24時間体制で
Mは管理される。
そんな「 Mの 病気 」 は …
ここの医師である夫が
妻の不貞を疑い
その " 制裁 ” に病気と?
信じ込ませ …
その為の?
要らない手術や薬の投与を施し
白血球数が平均値の1/10になる
様にし これで 抵抗力が弱っ
ていると
Mに自覚させ
「 信じ込めせ!
行動を制限する! 」
… 夫の その行為は
Mの「 行動の自由 」
を取りあげるモノ …
それを
5年も続けられれば …
Mも もう
うすうす変と? 感じていても?
だからこっそり!
他の病院で診てもらっても!
決定的な夫の " 誤診 ” を
残念ながら証明できないでいて …
だから
妻を心配している夫の指示には?
逆らえないでいて …
―
「 初めましてMの夫です
ここで外科の准教授をし
ております 」
「 初めまして
Mさんの上司にあたる者です
これは妻です
Mさんの 元上司でも
あります
私たちは Mさんと
同じ会社の者です 」
「 … 今回は人間ドックと
会社には届け出が
ございましたので
私たちは心配は
しておりませんでしたが … 」
「 夫婦共に! Mさんとは
お仕事を! 一緒にして
おりますので …
お見舞いにと思いまして
顔を出させて 戴きました 」
このひとはどんな時でも動じない …
「 Mさん …
今日が退院なんですね?
なにかお手伝い?
いたしましょうか?
女手があった方が
善いのではと
夫から言われたもので
くっ付いてきました
大丈夫ですか?」
Aは以前と同じ様に
優しい気遣いを見せ …
だから?
夫は穏やかな表情のまま …
「 … Mの上司の方ですか?
お忙しいのに
有難うございます
ましてや
ご夫婦で来ていただく?
なんて … お世話に?
なりっぱなしですね … 」
夫は恐縮しながら頭を掻いて …
そんなしらじらしい社交辞令
が続いた後で急に話を変えた …
「 … そうそう 確か …
今回の妻の検査入院の
1日目にも?
貴方はいらしてますよね
病棟クラークに 記録が
残っていました
とても
部下想いでいらっしゃる … 」
… Mの夫は白衣の胸ポケットから
そのひとのボールペンを出し …
だからペンは今!
そのひとと!
そのひとの妻のAと!
Mと!
Mの夫の!
その! 4人の前にある …
「 これに貴方の名が
刻まれています! 」
Mの夫は!
そのひとに!
ペンを!
渡した!
いや!
返した!
「 … あ~
ありがとうございます…
フッ… 探していました
何故? あなたが?」
そのひとは笑みを浮かべ?
とぼける …
「 … はい妻のドレッサーの
引き出しの中にありましたが
私が探し物をしている時に
偶然見つけてしまいまして …」
「 … ほら男性物でしたから
妻に 確認しようと
本日自宅から
持ってきました
私たち夫婦は
すれ違いが多く … 」
「 … 御覧の通り本日も
私は勤務中ですから
妻は一人で自宅へ
帰るので?
持って来たのです … 」
「 すれ違いが多いのですか … 」
… このとき そのひとは
Mの夫の言葉を
一部だけ 繰り返して …
… 理解した。
―
だからこのときから …
このひとも、この夫の事を、
不信、に、思い、
もうすでに、
この夫が、Mに対して、
自分の「 モノ 」として、
ただ、
「 管理 」している事を、
もう理解している。
それを分かっていても、
直接Mには何も言わないだけで …
けれど、
この本社で、
今回仕事をする事になった、
Mがその仕事で拘束される時間は、
「 8時間 」で、
ここへの通勤時間を入れれば、
1日のほとんどの時間、
Mはこの本社、や、
近くに居るわけで …
それも、
週休2日でそうだから、
それならば?
宿直もある?
大学病院勤務医の夫よりも?
自分の方が、このMと、
長い時間? 一緒に?
居るわけで …
だから?
その気になればいくらでも?
このひとの方が、Mを、
どうにでも ? できる ?
わけで …
そう、いままでも、
たとえ、なにか「 事 」
が有っても、このひとは、
いつも、M の知らないうちに?
勝手に、事を、終わらせる。
―
… なんで私が知らないうちに
どんどん事が進んでいくんだろ …
―
だからまだ朝なのに、
ここでの仕事の初日なのに、
だからMは気が、
重い。
―
… S だったら …
―
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