うめねくんがいれば大丈夫より

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調理で出た油カスすら貯め置いて肥料にする虎太郎が食用油をただの廃油として焼却するとは思えない。 案の定、まだ熱の残る七輪の上に鍋が置かれるのを見て丑蜜はその側に膝を折った。 虎太郎は台所のシンクにある引き出しから廃油を固める為の粉末剤、『固めるプルル』を一包と、食器棚から空き缶と耐熱ガラス容器、タコ糸、箸、アロマボトル二つを取り出して七輪の脇に置いた。 「今回はどんな工作を見せてくれるんだ? 虎太郎先生は」 茶化し半分でニヤつく丑蜜に虎太郎は、 「廃油で燃料とキャンドルを作ります」 言って凝固剤を入れるよう頼み、自身はステンレスのお玉を構えた。 「凝固剤の原材料って脂肪酸なんだそうです。 なので固めた後も火力として再利用できるんですよ。 とはいえ、、、揚げ物に使った油なので、僅かにも臭いは残ってしまいますよね。 僕は調理臭が気になるタイプなのでヒノキなどのウッディな精油をほんの少し入れて誤魔化すんです。 キャンドルとして使う時などは好きなアロマと削ったクレヨンを入れて色を着けたりして」 熱した廃油に粉末の凝固剤が投入されると、虎太郎は手にしたお玉を鍋に沈め、完全に溶けるまで丁寧にかき混ぜた。 「容器には俺が入れるよ」 虎太郎からお玉を受け取った丑蜜が容器を持ち上げ、まだ熱い油液を順次注いでゆく。 「空き缶にはヒノキの精油、ガラス容器にはラベンダーオイルを数滴入れます。 もう一度軽くかき回して、、、っと。 縁の中央に箸を渡し、そこに芯となるタコ糸を結び吊るしていきます」 虎太郎は慣れた手付きで次々と容器に糸を垂らしていった。 「これでよし。 完全に固まるまで40分待てば、卓上燃料とアロマキャンドルの完成です」
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