【謎の空間】謎の男と銀の鍵

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――なんでこんなに冷たいんだろう? 「うーん……ここどこ?」 わたしが目覚めると、そこは自室ではなかった。 ふかふかのベッドに寝たはずなのに、真っ黒のタイルを敷いたみたいに、固くて冷たい床の上に横たわっている。視線を上に向ければ満点の星が輝いて、今にもおっこちてきそうだ。 それが水平線までずっと続いているものだから、驚いて立ち上がる。 「パパ? ママ? みーちゃん?」 「やあ、よく来たね」 背後の声に振り返ると、そこには1人の男がたたずんでいた。誰!? 「そう警戒しなくていいよ。ここはどこでもない場所であり、次の場所へ行くための橋渡しが目的の場所なんだ。……マシロ・セタ、キミが来るのを待っていたよ」 その男――黒い髪に褐色の肌、そしてエキゾチックな顔立ちの美しい人は、アラブ風のゆったりとした衣装をひるがえして近づいてくる。 「ふうん、おかしな夢。何を言っているのか全然わかんないよ」 「おや、想像していたよりもずいぶん神経の図太い子だ。キミねえ、もっと驚くとか泣き出すとかしないの?」 「こんな荒唐無稽な出来事、夢以外に考えられないもん。それより、わたしが来るのを待っていたってどういうこと?」
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