プロローグ 【大広間】クライマックス

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プロローグ 【大広間】クライマックス

わたしの名前は瀬田ましろ、14歳の中学2年生。 突然だけど、みんなはお芝居をじょうずにできる自信はある? わたしは幼稚園のころから、セリフの少ない村人役や、そもそも演技とは無関係の裏方仕事をしてきたの。つまりそういうこと。 じゃあ、『異世界転生』や『悪役令嬢』って言葉は知ってる? フィクションではやっている題材みたいだよね。確か、異世界転生が『地球とは異(こと)なる世界で別人に生まれ変わること』で、悪役令嬢が『意地悪をする立派な家柄のお嬢さん』だったはず。 どうしてそんな話をするのかって? こういうお話をたくさん読んでおけばよかったな~って思ってるの。だってね、わたしは今、異世界転生して悪役令嬢をやっているのだから! 「オ~ッホッホッホ! 公爵家の令嬢であるこのあたくしが、これからは妃として王子様を支えてみせますわ!」 きまった、見事な高笑い……! 地球ではないとある場所にそびえ立つ、大きなお城の大広間。今日は王子と悪役令嬢の婚約発表が開かれる日。 大勢のお客さんを招いたきらびやかな会場は、まるで宝石がいっぱいに詰まった宝箱のようにきらめいている。
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