復讐鬼疑似体験ゲーム②

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復讐鬼疑似体験ゲーム②

 カメは単独で、森の中にあるウサギ軍団のアジトに乗り込んだ。  しかし、すぐに周囲をウサギ軍団に囲まれてしまう。  極限状態だというのに適度に体の力が抜けて、実にいい状態だ。 「俺は、最強の武器を持った最強の復讐鬼なんだ」カメは呟く。    耳を澄まして聴こえるのは、森の中を呑気そうに飛び交う鳥たちのさえずり。それと、風に吹かれ、揺らめいて、音を鳴らす木々だけだ。 「決して……油断するな」  ボスウサギが部下たちに忠告した。皆が動きを静止させる。  微かにでも動けば、一斉に攻撃してくるだろうとカメは考える。   「カメよ、どうした? じっとして。さすがに降参か? それとも何かとっておきの策があるとでもいうのか?」  ボスウサギが笑みを浮かべるが、カメは一番油断しているのはコイツなんじゃないかと笑いたい心境になる。が、気にせずに状況を俯瞰することに意識を向ける。    「大ピンチのように思えるだろう……だが、一瞬で、俺はこの場にいる全員の息の根をとめる!」 「何をかっこつけて……もういい、やれ!」  ボスウサギが指示を出すと一斉に兵士たちがカメに向かってくる。  その瞬間、剣に月のパワーが降り注いだ。  剣を手にするカメ一匹だけでは扱いきれないほどの力がみなぎる。  空間が歪み、兵士一羽一羽の動きが遅くなる。  月からのパワーを、剣から体内へと取り込んだカメの動きは光の如く速かった。  その後は、実に簡単で退屈な作業をしただけだ。    一羽残らず一般のウサギ兵士たちを斬り、最後にボスウサギの首を刎ねた。  カメは月に感謝して、ライオンがいる家へと大急ぎで向かった。      
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