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路銀
小作人頭を無理矢理に帰しては次郎左衛門は足繁く吉原に通っておった。
次郎左衛門にては花魁との床入りよりもはや花魁に魅入っていたのだ。
この花魁の年季奉公が明けたら花魁と所帯を持って佐野に帰る・・そんな風に次郎左衛門は思っておった。
足繁く通って居る吉原仲見店の花魁とても次郎左衛門に金を使わすことだけであった、宴での芸者や幇間を呼んでの大騒ぎにして各々に祝儀を与えて居ては十二両の大枚も怪しくなっておった。
それでも花魁は次郎左衛門に甘えて枝垂れて居たのだ!
約一月が過ぎて次郎左衛門の懐ももはや悔みに慣れる殆ど路銀は底を付き欠けて居た。
この一月で次郎左衛門が花魁に使いし銭は十両以上にもなって居た。
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