怪盗

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
とある美術館。伝説の怪盗から予告状が届いた。 『今夜、王家に伝わる王冠を盗み出す』 はたして警部は無事に王冠を守り抜くことができるのか…… 警察官「警部、警備の配置が完了しました」 警部 「ご苦労。予告状に書いてある時間まではまだ余裕があるが     気は抜くなと伝えてくれ」 警察官「わかりました。しかし本当に現れますかね。     警備は50人以上、最新の人感センサーと赤外線センサーが             無数に張り巡らされているというのに……」 警部 「そうだ。だがあの怪盗は不可能と思えるような状況で盗みを成功            させてきた。油断はできない。それにな、何か腑に落ちないんだ」 警察官「というと?」 警部 「長年の勘ってやつだ。何か…忘れている気がするんだ。     前にもこういう感覚になったんだ。悪いジンクスだよ。     あの怪盗はいつだって意表を突いてくるからな」 警察官「警部……」 警部 「何かを見落としている。くそっ、     あの怪盗ならこんな時どうする?」 警察官「警部……」 警部 「そうかセンサーだ!     人感センサーと赤外線センサーのスイッチを入れ忘れた気がする!」 警察官「…そんな家のこたつみたいなことってあります?」 警部 「前にも同じ方法で盗まれた。やられた。     急いで警備室に向かわないと」 ●警部を警察官が取り押さえる 警察官「動くな怪盗!警部がそんなミスをするわけないだろ!警部に変装して     そのまま中に侵入するつもりだったんだろ」 警部 「すまん!気持ちは分かるが、受け入れてほしい。     君の、上司は、割と、ポンコツなんだ!」 警察官「嘘だ。警部……」 ●ガラスが割れる音が響く ●警察官、インカムで連絡をとる 警察官「どうした!何事だ!     ……予告の時間まで余裕があるからキャッチボールしてた⁉     馬鹿野郎!」 警部 「申し訳ない。暇かと思って私がミットとボールを貸した」 警察官「警部――!」                                 おわり
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!