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「同じですよ」
シグルズ様は、穏やかな笑顔でそう答えた。
「え?」
「アナンタが僕に真名(まな)を教えてくれた時と同じです。僕に闇に抗う勇気をくれたのは、竜族のアナンタです。
元々が伯爵令嬢だったかどうかとか、人間だったかどうかなんて何も関係ない。
僕は、竜族のアナンタと時間を共にしてきたのですから」
シグルズ様……。
「竜族の末裔、アナンタ。僕は、貴女を愛しています。これからも僕と共に歩んで頂けますか?」
あのときと同じ台詞を……。
「ええ、私も貴方が好きです。
こちらこそお願いします」
私は、シグルズ様に飛びつくように抱きついた。
END
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