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「滅びよ、愚民どもめ」
黒竜が再び、火球を乱打した。領民を犠牲にして呪いの力を増幅させようとしている。
「させない、竜の爪(ドラゴン・クロー)、竜の回転尾(ロールテール)」
連撃を加えるが、黒竜は怯まない。呪いを強化するために目の前の私より、住民へ被害を広げようとしている。
パンナガからの闘気の供給が弱くなっている。
決定機のための力を抑えなければならない。
ミーミルやシェーシャ、ゴンゾ達が街の被害を抑えてくれている。
シグルズ様がアンダンテ家の呪いを抑えてくれている。
パンナガとアムリタが闇の術者を倒そうとしてくれている。
シグムンドを覆う闇の力が弱まる瞬間は、必ず来る。仲間を信じるんだ。
「くっ……。
どうした、ダリルよ。生贄が足りぬのか?」
〈今じゃ、お姉ちゃん!〉
〈闇の魔法陣を破壊しました。ケモノ姫がダリルをぐちゃぐちゃに殴っています。闇の供給が止まります。
今ですよ、ドラゴンお嬢様っ〉
〈僕も、最大まで呪いを断ち切りますっ〉
〈皆さんの想いを、お姉さまに託します〉
シグムンドを覆っていた闇が霧散した。
同時に、私の中に光の力が溢れる。
パンナガが送ってくれる竜の闘気だけじゃない。きっとフィルロード家の光の力、アムリタやミーミル、シェーシャ達の希望の力、
シグルズの前婚約者の想いも集まっている。
皆の想いを、この一撃に乗せる!
「超速・竜の爪(オーバー・ドラゴンクロー)」
金竜の最大攻撃が、黒竜の胸を貫いた。
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