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この展開を待ち望んでいたかのように俺は抵抗せずに藍汰にされるがまま服を脱がされる。身体同士が触れて微かに藍汰の熱が伝わってくる。
「あ……っ」
思わず声に出して羞恥を晒す。見られたくない部分が藍汰の前で露わになって顔を赤くする。
「そんなに見ないで……」
「自分から帰りたくないって言っておきながらなに恥ずかしがってんの」
「お前だって本当は恥ずかしいくせに、かっこつけやがって——あ、待っ——」
緊張感のない言葉のやりとりのあとにくるとは思えなかった。最初は呼吸を整えるものだと考える間もなく、藍汰の熱を帯びた性器が俺の中に入ってきて俺は声を震わせた。
——こういうときだけ態度が変わるとか?
「今、お前って言いました? 言いましたよね?」
「いつも……言って……るだろ?」
藍汰は声をかけながら体を小刻みに動かし始めた。
喘ぎ声を漏らしながら、大きな背中に腕を回す。
「あっ……あっ——っ」
俺の顔を上から見下ろす藍汰の表情を見ようとしても目を瞑ってしまって捉えられない。
藍汰の動きがだんだんと激しくなっていく。俺は息を堪えて藍汰と一緒に絶頂を迎えた。
目を開けると恍惚とした表情の藍汰が息を上げていた。
「はあ……はあ……蒼さん……」
俺の肩に顔を埋めて呼吸を整えていた。
「藍汰……こっち向いて」
初めての相手が藍汰でよかった。
俺は藍汰に声をかけるとそのままこちらを向いた彼の唇を奪った。このまま帰れない。言葉通り俺は藍汰の家で一夜を彼と共に過ごした。
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