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✚遭遇
地球から見ると、一月に一度ないし、二度訪れるこの夜。
満月の夜。
この日は、決まってあることが行われる。
今日は、10月15日。珍しく、周期により、完璧な満月が夜を照らしている。時間は、十二時。日付が変わったばかりだ。
四人のプレイヤー達が、人気のない十字路を思い思いに歩いてくる。
そして、必然。十字路の終着点は一点のみ。
クロスエンカウント。
真面目な雰囲気で始まるかと思いきや、いきなりふざけた口調が聞こえる。
一人のプレイヤー「せんぱいぁ!今日の俺どうっすか!?最高にションパってないっすか!?」
「いきなりそれかよ。毎度意味わからんし。頭がおかしそうだから、チョンパってやろうか?」
いつもの絡み合い。この二人は先輩と後輩という関係だ。そこから、他愛もなく、意味もあまり無さ気な会話が続く。
「ふ、二人とも、、、人目があるかもしれないから、は、早く行こうよ…」
心配そうに気弱そうなプレイヤーが言う。
「そうだぞ。下らないことを言ってないで、早く行くぞ」
諌め役的なプレイヤーが言うと、それまで言い合っていた二人は、ピタリと話を止め、その男についていく。
五分ほど無言で四人は歩く。そして廃墟のような建物に辿り着く。
外見もボロボロ、中もボロボロ。そんな建物だが、一部屋だけ使えそうな部屋がある。
そんな感じの建物だ。
そして、その部屋に迷うこともなく、躊躇うこともなく入る。そこは天井が壊れており、上が見える。月が部屋を照らしているので、照明は要らない。
そして一人の女性が立っている。部屋の真ん中に机が一つ。というか、コタツがある。10月かつ深夜。なかなか寒いですものね…
だが、ここはコタツ布団は付いているが、電気は通っていないので、布団内は少しひんやりしている。中に足が入れば、少しぬくもってくる。そんな感じだ。
「ようやく来ましたか。準備はできてますよ」
そう言うとその女性は、机の上にかけてあった布を勢いよく剥ぎ取る。
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