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令和五年九月
兎泣く 悶えるような 暑さ故 否燃え盛る 恋の炎に
令和五年十月
明星の 輝く空に 鴉鳴く 世界は全て 俺の物だと
遅咲きの マリーゴールド 何思う 秋空眺め 風に揺られて
澄む秋の 静かなる朝 昇る陽に 世の平安の 祈りを捧ぐ
コーヒーに 添えられている 角砂糖 心を溶かす 詩の甘さかな
先ほどは 白く陰りし 月なれど 今は煌々 夜道照らして
令和五年十一月
散る紅葉 赤きを拾い 陽に透かし 心の襞に 栞となりて
通過する 貨物列車は 寒風を 引き連れ南 黙々と行く
冬夕焼け 軍艦の如 進む雲 護り給え 宇国の空を
草庵の 軒下ずらり 干し柿を じっと見つめる 枯木に鴉
令和五年十二月
鼻の奥 ツンと冷気を 取り込めば 冬が来たなと 空を見上げる
途絶えては 寒月見上ぐ 吾一人 指先温む ホットワインかな
真っさらであれ 強く願えど 思春期は 訪れ来ては 泥にまみれて
ツンとくる 鼻の奥へと 冷気くる 白い息先 真っ白な恋よ
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